光の行き先

 

 下の図は光の持つ不思議を知ってもらうために用意しました。この図の説明を読むと何かおかしいと思うでしょう。しかし、簡単な理屈で解決するのです。

光は電磁波という波であると同時に粒子でもあるとされています。ここでは光を粒子として扱います。この粒子は光子と呼ばれます。

  光の到着点は重要なので Terminal と名付けます。ここでは素粒子を点として扱っています。

 

 

 

図の説明をします。上の図は光子等の動きを三つの場面に分けて示しています。

    

点 A,B,C は固定点であり一つの直線(直線ABCと名付ける)上にある。点 P は直線ABC上を等速で移動しています。

光子は2個あって、これを LfとLr とします 。

ミラー FとR は点 P から等距離の位置にあり、点 P と一体になって等速で移動します。

 

点 P から光子 LfとLr が同時に点 P を離れてミラー FとR の方向へ進みます。この時の点 P の位置を A とします。

光子 LfとLr がミラー FとR に到着した時の点 P の位置を B とします。

光子 LfとLr がミラー FとR で反射し点 P に向かって進みます。この光子が点 P に到着した位置を C とします。

 

 このとき、次のようにおかしなことがおきます 

   点 A において点 P を同時に離れた光子 LfとLr (左の図) はミラーFおよびR に同時に到着します(真ん中の図)。これは距離 PFとPR が等しいことによります。

そして、ミラー FとR を同時に反射した光子は点 P に同時に到着します(右の図)。

 なぜなら、点 P は常にミラー FとR の中心線上にあるからです。このとき、点 P は点C上にあるので点C にも光子 Lf と Lr が同時に到着するはずです。

 しかし固定点 (A,B,C) から見ると光子がミラー FとR に到着し反射する時、FとR の中心線と直線ABCの交点は点 B だけであり光子 LfとLr が点 C に同時に到着することはありません。

光子 LfとLr は点 P に同時に到着するが同じ位置にある点 C に同時に到着することはありません。

 

 観測者(この場合は点 P )にとって常に光速不変が守られるとすると、このようにおかしなことが起こります。

これを次のように考えれば なるほど! と思うでしょう 

 

 光子が点P に到着するとき同じ位置にあるのに点C には到着しませんね。これは、光子 Lf と Lr が点A を離れたときから到着点を決めているということです。

結論はこうなります:光子は光源を離れるときTerminal を決めていて、そのTerminal (この場合は点 P) の動きを情報として受け取っている。

  この図の例で説明すると A にある点 P を離れた光子はミラー FとR をTerninal とし、このミラー FとR を離れた光子は点 P を Terminal として移動したことになります。

 

これでは、点A から見た光子 Lf と Lr の速度は違っているのではないか? 

  いいえ、同じ速度です。この疑問は読み進むと解決します。特に、第6話 を読めば納得できます。

  

修正記録

 2024-01-22: 前回の修正では3行追加で簡単に説明したが、全体をこの修正内容を用いた説明に変更しました。修正前の説明を下記(***** と ***** に挟まれた範囲)に残しておきます。

 *****

 

光子は2個あって、これを Lf と Lr とします 

点BはTerminal P が到着する位置です

点AとBは動かない点です

点Pは常にミラー FとR の中心にあり、ミラーと一体となって動きます

光子 Lf と Lr は次のStep1~4の順に移動しTerminal P に到着します。

 Step 1: 初めはTerminal P が点A上にある 

 Step 2: 光子 Lf と Lr は点Aを同時に離れ、それぞれミラー F および R で同時に反射しTerminal P に向かう 

 Step 3: この後でTerminal P が点A を離れ、点B に到着し静止している 

 Step 4: 光子 Lf と Lr がTerminal P に同時に到着する。 

 

  このとき、次のようにおかしなことがおきます 

   同時に点A を離れた光子 Lf と Lr はミラーFおよびR に同時に到着します。これは距離 AFとAR が等しいことによります。

そして、ミラー FとR を離れた光子がTerminal P に到着するのも同時です。

 なぜなら、Terminal P は常にミラー FとR の中心にあるからです。このとき、Terminal P は点B上にあるので点B にも光子 Lf と Lr が同時に到着するはずです。

 しかし光子がミラー FとR を離れたとき、FとR の中心は点A であり点B ではありません。つまり、光子 Lf と Lr が点B に同時に到着することはありません。

 

 観測者(この場合は Terminal P )にとって常に光速不変が守られるとすると、このようにおかしなことが起こります。

これを次のように考えれば なるほど! と思うでしょう 

 

 光子が点P に到着するとき同じ位置にあるのに点B には到着しませんね。これは、光子 Lf と Lr が点A を離れたときから点P を到着点にしているということです。

結論はこうなります:光子は光源を離れるときTerminal となる点を決めていて、そのTerminal の動きを情報として受け取っている。

 *****

 

 2024-01-18: 最後の方に(追記です、.....)で始まる3行を追加しました。 

 2023-12-08: 光子の動きを説明するための図をわかり易い図に置き換えました。置き換え前の図は下記のとおりです。