宇宙は連続体ではなく点の集まりとして話を進めます
第1話で光が行き先を決めてから移動すること、その行き先の動きを情報として受け取っていることがわかりました。
しかし、光はどのようにして情報を受け取っているのでしょうか。
情報を伝えるのは波です。海の波はその形を浜辺の方に運びます。空気の振動は音を遠くへ伝えます。この場合の波の形とか音などが情報です。
水や空気の分子が移動していくのではありません。波の高さや音などの情報が移動するのです。この情報が伝わる水や空気を媒体といいます。
光がTerminalから受け取る情報も媒体によって伝わるはずです。この媒体が何かはわかっていません。ここでは、宇宙空間が連続体ではなく点の集まりでできているとします。この点の集まりが情報を伝える媒体だと考えます。この点を Tenho と名付けます。Tenho は大きさも質量もないが情報を持つことができるとします。
Terminalから光子へ伝わる情報の波を見つけよう
Terminal から光子へ情報を伝える波が一つでも見つけられたら、光は行先を決めてから移動するといえます。その情報の波を関数として求めてみましょう。
この関数 (Zとします) の値を変えるものを因数と言います。この因数は変化する必要があります。すぐに思いつくのは情報が何回変わったかという数です。この変化の数を N として関数 Z を求めます。
N をCount と呼ぶことにします。N によって決まる情報が Z です。水面に伝わる波に例えると Z は波の高さに相当し N は位置や時間に相当します。
これまでにわかったことからTenhoの集まりと波の関数 Z について次のことが言えます。
光子を動かすものはなんだろう
光子が波に乗って移動すると考えるとその波がどんなものかわかりません。そこで、光子は存在できる可能性の高い位置へ移動すると考えます。その可能性という情報を波が伝えるとします。
光子が次に移動するTenhoはそこに存在できる可能性(Potentialと呼ぶ)が最も高い点ということになります。
この最も高い点が複数ある時は近いほうに移動するとします。光子を動かすのはこの Potential です。
光子の情報(ZsAとする)とTerminalの情報(ZtBとする)がこの Potential を決める要素ですから、この要素を用いて波の関数を求めます。
光子 P がTenho T に存在できる可能性 (Potential) を Pst(T) とします。
Pst(T) は情報 ZsA の持つ可能性と ZtB の持つ可能性の組み合わせなので
Pst(T) = ZsA × ZtB
になるとして検討を進めます。
光子は波の高さ位置を変えずに進む
海の波の一番高い点に注目すると、この点は同じ速度で進みます。これは波のどの高さの点にもいえます。光子の速度も変わらないので波の高さ(Potentialの強さ)を変えずに進むことになります。
波の高さは情報 Z ですから、光子の情報も変化しません。このことから、移動中の光子は波の発生源になれません。
光子の波の中心は光子が光源を離れた位置(のTenho)になります。これをServerと呼ぶことにします。
Server A を中心として点 P(光子) に到着する波の情報を ZsA.P とします。また、Terminal B を中心として点 P に到着する波の情報を ZtB.P とします。
点 P が AB 間のどの位置にあっても、情報 ZsA.P と ZtB.P は点 P の位置の Tenho に同時に到着する必要があります。即ち情報は全ての Tenho に同時に到着し、 Count の増加も全ての Tenho で同時に生じることになります。
さあ、いよいよ情報の波の関数です
これだけ用意すれば波の関数がわかります。この関数を求める作業は数式を使う単調な説明なので別の話題としました。興味のある方は「第2話詳細 波の関数」をみてください。
そうして求めた関数は複素周期関数ですが、この関数の詳細は決まりません。ここでは、詳細部分を取り除いた簡単な関数を使います。詳細はさらに検討したり、実験したりして決めていくことになります。
その関数を次に示します。
ZA.P = exp(iw × NA.P) 式(2-1)
ZB.P = exp(-iw × NB.P) 式(2-2)
Pst(P) = exp(iw × (NA.P - NB.P)) 式(2-3)
ZA.P, ZB.P はServerとTerminal の波の P(光子) の位置の情報 (関数の値)
NA.P, NB.P はServerおよびTerminalの波の P(光子) の位置のCount
Pst(P) は光子が点 P の位置に存在できる強さ。周期関数でありその最大値を 1 とする。
w は常数、i は虚数記号です。
また、aをある数値として、関数 exp(ia) は
exp(ia) = cos(a) + i sin(a)
です。 (虚数を含みますが、三角関数として計算できます)
上記の式 (2-1)~(2-3) は点 P を光子としているが光子以外の素粒子も同じ複素数の波を持っているので次の Tenho へ移動するときはこの式に従うことになる。
• 素粒子は Zs と Zt 両方の波を持つ種類と、どちらか一方の波しか持たない種類がありう るが、ここでは全ての素粒子が Zs と Zt 両方の波を持つことにして検討を進める。 以後は、関数 Zt の波の中心を Terminal と呼ぶ。同様に、関数 Zs の波の中心を Server と呼ぶ。
• 素粒子は Pst( ) = 1 の点を順に移動するのでその速度は光速を超えないが : 関数 Zs と Zt はポテンシャルに影響されないので情報の伝達に速度の制限はない。
Terminal が移動するとき光子がその Terminal に追随 するためには情報が瞬時に光子に到達する必要がある。 瞬時は光子が次の Tenho に移動するまでである。
修正記録
2024-12-23: 記号を統一するために見直した。詳細は第4話参照
2024-11-17: 「Tenho は大きさも質量もないが情報を持つことができるとします。」を追加した。
2024-08-24: 最後の10行弱を追加しました。
2024-01-05: 一部の文章を理解し易いように変更しました。