素粒子と光速

 

光速より小さい速度について 

 光をはじめとする素粒子は情報の波を持つことがわかりました。これが時間と距離に関係すると考えます。光以外の素粒子も複素数の波を持つので Potential の値の高い位置へ移動します。そして、次のTenhoへ移動するときは光子と同様に光速であり、Countの増加もありません。

  即ち、光速以下の速度は素粒子が移動途中のTenhoに一時停止し、その平均値が光速以下の値になります。

 

 素粒子(B)が次のTenhoへ移動するときそのCountは増加しないので、素粒子(B)が移動したTenhoの数(MB)とCount (NB) の合計(MB+NB)はTenho上に留まっている素粒子(A)のCount(NA)と同じになります。

  NA = NB + MB                                   式(3-1)

 この式(3-1) を基にして光速不変の現象を検討していきます。距離は素粒子が移動したTenhoの数に相当し時間はCount数に相当するとして検討を進めます。

 

 移動している素粒子(B)はその素粒子が一時停止しCountが増加するときだけ情報を受け取るので、その素粒子に向かって来る光子(E)が移動したTenhoの数は素粒子(B)のCountの増加数と同じになります。

 即ち、素粒子(B)から見ると、どの方向からやって来る光子(E)もその移動したTenhoの数(ME)は素粒子(B)のCountの増加数(NB)に等しい(ME = NB)。

  素粒子に向かってくる光子が移動した距離はその素粒子の経過時間に比例します。これは、その素粒子の進行方向とは関係ありません。

 

 光速について検索すると必ずといってよいほどローレンツ変換の式がでてきます。この式は『素粒子はその進行方向にだけ短くなる』

と言っています。

これはさきほど説明したことと違いますね。早速、調べてみましょう。

 

  ローレンツ変換を調べる

 

 上の左は座標の説明図、その右は3つの計算例を説明する図です 

 

Example 01,02,03にある点Eの位置の座標(x,y,z,t 原点はA)を(x',y',z',t' 原点はP)に変えます 

点Aから光子が離れると同時に点Pもx軸方向に移動を始めます。

光子が点Eに到着したときの点Pの位置をExample 01,02,03に示します。Z方向の移動はありません。

 

このとき、ローレンツ変換は次のようになります。

 t' = (t - vx/c^2) × G

      x' = (x - vt)  × G

      G = 1/root(1 - (v/c)^2)

      y = y', z = z'

 c: 光速,   v: 点Pの速度,   t: 点Aの時間,  t': 点Pの時間

   ^2 は二乗を示します。例:  c^2 = c×c

初期条件 (Example 01,02,03 共通)

  光子が点Eに到着する時間をtとする。

  AE = 5L とする

  AP = 3L とする

 

3つの例題に共通して次の関係式が成り立つ

  AE = 5L ですから  t = AE/c = 5L/c

  AP = 3L ですから  v = AP/t = 3c/5

  G = 1/root(1 - (v/c)^2) = 1/root(1 - (3/5)^2) = 5/4

 

 例題の計算

 Example 01 : x = 0のとき

       t' = (t - vx/c^2)  × G = (5L/c - (3c/5) × 0/c^2)  × G 

          = 25L/(4c) = 6.25L/c 

 Example 02 : x = 3Lのとき

       t' = (t - vx/c^2) × G = (5L/c - (3c/5) × 3L/c^2)  × G 

          = 4L/c

 Example 03 : x = 5Lのとき

      t' = (t - vx/c^2) × G = (5L/c - (3c/5) × 5L/c^2)  × G 

         = 2L/c 

 

計算結果が示す問題点

 上記の計算結果をまとめると、t の1つの値に対して点Pの時間 t' が複数の値をとることがわかります。

 ただし、光速不変は守られています。(第3話補足を参照)

 Example 01:  t = 5L/c, v = 3c/5, AP = 3L のとき、t' = 6.25L/c 

 Example 02:  t = 5L/c, v = 3c/5, AP = 3L のとき、t' = 4L/c 

 Example 03:  t = 5L/c, v = 3c/5, AP = 3L のとき、t' = 2L/c 

 

 このように1つの素粒子が同時に複数の時間を持つことは無いはずです。少なくとも私たちが住んでいる地球上で、こんなことはありません。

 

しかし事はそう簡単ではありません。ここから導かれる時間のローレンツ短縮 (下の式) は実験で確認した結果正しい (測定誤差の範囲内で成り立っている) とされています。

 

 t' = t × root(1 - (v/c)^2)                    式(3-2)

 

これについては、『第5話 速度と時間遅れ』で検討します。

 

修正記録

2024-10-02: Example 03 の計算間違いがあったので修正した。

2024-01-05: (光速より小さい速度について)の項について、説明文を一部修正しました。