ローレンツ変換は移動する素粒子が同時に複数の時間を持つことになると説明しましたが、光速不変は守られていることが計算するとわかります。
第3話の Example の条件と記号を用いて計算します。
初期条件 (Example 01,02,03 共通)
光子が点Eに到着する時間をtとする。
AE = 5L とする
AP = 3L とする
3つの例題に共通して次の関係式が成り立つ
AE = 5L ですから t = AE/c = 5L/c
AP = 3L ですから v = AP/t = 3c/5
G = 1/root(1 - (v/c)^2) = 1/root(1 - (3/5)^2) = 5/4
Example 01 x = 0 のとき
t' = (t - vx/c^2) × G
= (5L/c - (3c/5) × 0/c^2) × G
= 25L/(4c)
= 6.25 L/c
x' = (x - vt) × G
= (0 - (3c/5) × (5L/c)) × G = -3L × G
座標系 (x',y',z',t') においては
AP' = t' × v = 25L/(4c) × (3c/5) = 15L/4
AE' = y' = y = 5L
PE' = root(AE'^2 + AP'^2) = root((5L)^2 + (15L/4)^2)
= 6.25L
距離を時間で割って光の速度を求めます。
PE'/t' = 6.25L/(6.25L/c) = c
となるので光速は不変である。
Example 02 x = 3L のとき
t' = (t - vx/c^2) × G
= 4L/c
x' = (x - vt) × G
= (3L - (3c/5) × (5L/c) × G
=0
座標系 (x',y',z',t') においては
PE' = y' = y = root((AE)^2 - (AP)^2) = root((5L)^2 - (3L)^2)
= 4L
距離を時間で割って光の速度を求めます。
PE'/t' = 4L/(4L/c) = c
となるので光速は不変である。
Example 03 x = 5L のとき
t' = (t - vx/c^2) × G
= (5L/c - (3c/5) × 5L/c^2) × G
= 2L/c
x' = (x - vt) × G
= (5L - (3c/5) × (5L/c)) × G
= 2L
座標系 (x',y',z',t') においては
PE' = x'
距離を時間で割って光の速度を求めます。
PE'/t' = x'/t' = (2L)/(2L/c) = c
となるので光速は不変である。
修正記録:
2024-10/2: Example 03 の計算間違いがあったので修正した。