移動する点の時間について
(この青字の部分は第5話のコピーです。修正部分は黒字で示します)
時間は固定点 A の Count の積み重ねであり a_t = a_NA/Ct です。点 A から B まで移動する点 P の時間は点 P を原点とする時、点 P が移動した時の Count が消失します。即ち、点 P がいずれかの Tenho 上に滞在しているときだけ時間が進むのです。
点 P が点 B まで移動した時の点 A の Count を n, 点 P の Count を k とし、その間に消失した Count を m とする。これを式にすると
n=a_NA.B
k=p_NP.B
m=p_MN.B
です。
ここでn,k,mを採用したのは数を意識したからです。a_NA.B,p_NP.B,p_MN.B は位置や時間を意識してしまうと考えたからです。
点Pが点Aを離れ点Bに到着したとき、点 A と P の関係は式(4 - 1)を用いると次に示す式になります。
a_NA.B=a_NP.B + a_MP.B 式(5-1)
ここで 点 P が 点 B に滞在しているとき p_NP.B = a_NP.B 、移動しているときは p_NP.B = 0 ですから
k = a_NP.B または k = 0 式(5-2)
同様に点 P が 点 B に滞在しているときは p_MN.P.B=0、移動しているときは p_MN.P.B = a_MP.Bですから
m = 0 または m = a_MP.B 式(5-3)
です。
点 P が点 B に到着したとき k は k = a_NP.Bのときとk = 0のときがあるが、その比率は点Pが等速運動をしているので一定値です。
k は0と1の組み合わせになるので厳密にいえば等速ではありませんが、実用時はAB間の距離が大きく等速と見なしても問題はないと考えます。
a_NAが n 回 Count を増やすとき、点 P が点 B に到着し滞在すると k = a_NP.B になるので A の Count が 1 増加すると点Pの Count は (k/n) だけ増加することになります。
これは点 P がAB 間と同距離の移動を n 回繰り返したとき、p_NP.B = a_NP.B になる回数が k になる事と同じです。すなわち、点 P が点 B に到着した時の p_NP.B の Count は a_NP.B×k の1/n です。
p_MN.P.B も m = a_MP.B のときと m = 0 のときがあるが、その比率は点Pが等速運動をしているので一定値です。
点 A が n 回 Count するとき点 P が点 B に到着したが滞在しないとき m = a_MP.B になるので A の Count が 1 増加するとm は (m/n) 増加することになります。
これは 点 P がAB 間と同距離の移動を n 回繰り返したとき p_MN.B = a_MP.B になる回数が m になる事と同じです。すなわち、点 P が点 B に到着した時の p_MN.B の Count は a_MP.B×m の1/n です。
この結果 a_NA.B に対応する点 P の Count は a_NP.B×(k/n) と a_MP.B×(m/n)の和になるので
a_NA.B = a_NP.B×(k/n) + a_MP.B×(m/n) 式(5-4)
です。ここで、
a_NA.B = n
a_NP.B = k (ただし k ≠ 0 のとき)
a_MP.B = m (ただし m ≠ 0 のとき)
であるが、 k = 0 のときは a_NP.B の値に関係なく a_NP.B×(k/n) = 0 です。
m = 0 のときも a_MP.B の値に関係なく a_MP.B×(m/n) = 0 であるから k = 0 のときも m = 0 のときも含めて式(5-4)に a_NP.B = k とa_MP.B = m を用いることができる。
以上より
n= k×(k/n) + m×(m/n) 式(5-5)
となる。
n= k×(k/n) + m×(m/n)
上の式の k と k とは値は同じであるが持つ意味が異なります。 k は点 P の Count であるのた対して k は k が消滅せずに点 P の Count になる強さを指しています。
式(5-4)と式(5-1)を比べると (k/n)=1 かつ (m/n)=1 となりますが、式(5-1)は点 P が点 B に到着した瞬間の値の式であり、式(5-4) はp_NP.B=a_NP.Bの状態とp_NP.B=0の状態を含むこと及びp_MN.P.B=a_MP.Bの状態とp_MN.P.B=0の状態を含む式なので異なる数式です。
式(5-1)は点Aを原点として点PのCountを扱うのに対して 式(5-4)は点Aを原点とするときと点Pを原点とするときのCountの関係を表しています。
式(5-5)を整理すると
n^2 = k^2 + m^2
になります。
k は点 P の Count 数 p_NP.B であるから
k = p_t × Ct 式 (5 -6)
点 P は等速運動をしているとしているのでその速度 a_v.APと時間 a_t.B を用いて距離 a_dA..B を求めます。
a_dA..B = a_t.B × a_v.AP
m ≠ 0 のときは m = a_MP.B なので距離 a_dA..B から求める Tenho の数が m になります。
∴ m = a_t.B × a_v.AP × Cs 式 (5 -7)
さらに、n = a_NA.B = a_t.B × Ct と式 (5-6) を用いると
(a_t.B × Ct)^2 = ( p_t × Ct)^2 + (a_t.B × a_v.AP × Cs)^2
整理すると
( p_t × Ct)^2 = (a_t.B × Ct)^2 - (a_t.B × a_v.AP × Cs)^2
= (a_t.B × Ct)^2 (1 - (a_v.AP × Cs/Ct)^2)
両辺を Ct^2 で割り、Co = Ct/Cs を用いる。
a_t.B は点 P が点 B に到着した時の点 A の時間であり a_t.B = a_t である。故に
p_t = a_t × √(1 - (a_v.AP/Co)^2) 式 (5 -8)
となり時間のローレンツ短縮の式 (5 - 9)と一致します。
式(5.1-4)は点 P が等速で移動している事を前提にしているのでAB間のTenhoの数が少ない場合は成り立ちません。このため測定したい時間の最小値とその時の移動距離の大きさが気になるので調べたデータを下記に示します。
時間の最小値
ウイキペディアによると時間の最小値はプランク時間として5.39×10^(−44) s があります。Tenho 一つを移動する時間はこれより長いはずはありません。
一方時間測定に関係するものとして【NISTのストロンチウム原子時計の時間測定スケール】があり
1×10^(−21) s となっています。これを時間の最小値と比較すると(1×10^(−21))/(5.39×10^(−44)) = 0.18*10^23 です。
つまり時間を計測する最小単位は Tenho 一つ移動する時間に比べて十分に大きい ので n = k × (k/n) + m × (m/n) を用いることは実用上の問題にならないと考えます。
式(5-5)は点 B で成り立つがその他の位置の時間はどうなるか
この式は点 B の位置を変更しても成り立つので結果としてどの位置でも成り立ちます。ただし、等速運動が成り立つことが前提条件になっています。
点 P の移動は不規則なので等速運動が持続されることが不思議といえますがここでは不問にします。
修正記録
2025-02-27: 第5話の修正に合わせて修正しました。
2024-08-14: 第5話に合わせて全面的に修正しました。
2024-06-06 : 説明文を丁寧に修正しました。
2024-03-17~ 2024-06-01 : 第5話を修正したのを機にこの第5話注記も修正した。
2024-02-12 : 修正前は分割区間の集積が平均化を意味することから p_NP や p_MP の平均値を求めて数式を進めましたが、平均値の位置ではなく点 P の位置の p_NP や p_MP を用いることにしました。