n = k × (k/n) + m × (m/n) についての補足
時間は固定点 A の Count の積み重ねであり a_t = a_NA/Ct です。点 A から B まで移動する点 P の時間は第5話で説明したように点 P を原点とする時、点 P が移動した時の Count が消失します。即ち、点 P がいずれかの Tenho 上に滞在しているときだけ時間が進むのです。
点 P が点 B まで移動した時の点 A の Count を n, 点 P の Count を k とし、その間に消失した Count を m とするとき n ≠ k + m です。これは点 P が点 B に到着した時に点 P が B に滞在すると k が加算され、通り過ぎると m が加算されるからです。k が加算されるのは n 回の内 k 回であり、m が加算されるのは n 回の内 m 回です。これを数式にすると n = k × (k/n) + m × (m/n) となります。
これは点 P が AB 間と同じ距離を複数回移動した時に成り立つ数式です。このため測定したい時間の最小値とその時の移動距離の大きさが気になるので調べたデータを下記に示します。
時間の最小値
ウイキペディアによると時間の最小値はプランク時間として5.39×10^(−44) s があります。Tenho 一つを移動する時間はこれより長いはずはありません。
一方時間測定に関係するものとして【NISTのストロンチウム原子時計の時間測定スケール】があり
1×10^(−21) s となっています。これを時間の最小値と比較すると(1×10^(−21))/(5.39×10^(−44)) = 0.18*10^23 です。
つまり時間を計測する最小単位は Tenho 一つ移動する時間に比べて十分に大きい ので n = k × (k/n) + m × (m/n) を用いることは実用上の問題にならないと考えます。
式(5-5)は点 B で成り立つがその他の位置の時間はどうなるか
この式は点 B の位置を変更しても成り立つので結果としてどの位置でも成り立ちます。ただし、等速運動が成り立つことが前提条件になっています。
点 P の移動は不規則なので等速運動が持続されることが不思議といえますがここでは不問にします。
修正記録
2024-08-14: 第5話に合わせて全面的に修正しました。
2024-06-06 : 説明文を丁寧に修正しました。
2024-03-17~ 2024-06-01 : 第5話を修正したのを機にこの第5話注記も修正した。
2024-02-12 : 修正前は分割区間の集積が平均化を意味することから p_NP や p_MP の平均値を求めて数式を進めましたが、平均値の位置ではなく点 P の位置の p_NP や p_MP を用いることにしました。